「どうせ」「私なんて」が口ぐせでやる気が出ない
「うちの子は自分から進んでやろうとしない」「親が言わないと自分からは何もしない」と感じたことはありませんか?
「宿題やったの?」「勉強しなさい!」「明日の学校の用意はした?」「使ったものは片づけて!」と親が言って渋々やる始末。
どうしたら自分からやる気になってくれるのか、本当に困ってしまいますよね。
でも、子どもはあまり叱られてばかりいると、心の中で「自分は悪い子だ」「自分はダメな人間だ」「自分のことがキライ」という感情を抱くことがあります。
このような感情は、自分の自己肯定感を下げてしまうことに。
「どうせ」「私なんて」が口ぐせになっているかもしれません。
そもそも「自己肯定感」とはどのようなものなのでしょうか?
自己肯定感ってなに?
自己肯定感とは、
「自分は大切な存在だ」
「自分には生きる価値がある」
「自分は自分でいいんだ」
「自分のことが好き」
と自己を肯定する気持ちのことを言います。
自己肯定感の低い子どもと高い子どもには、次のような特徴があります。
自己肯定感の低い子どもの特徴
- 必要以上に落ち込む
- 相手を信用しない
- 自分はダメな人間だと感じる
- 挑戦する前にあきらめる
- いつも不安を感じている
- 怒りっぽい、攻撃的
自己肯定感の高い子どもの特徴
- あまり落ち込まない
- 相手を信頼し、思いやる
- 自信とやる気にあふれている
- 失敗を恐れない
- 失敗してもすぐ立ち直る
- 前向きである
- 人にやさしく接することができる
自己肯定感が上がるとやる気が出るってホント?
自己肯定感が上がると、自分に自信が持てるようになり、それが原動力となって、積極的に行動できるようになります。
つまり、自己肯定感を高めてあげると、自分から進んで行動しようという「やる気」を引き出すことができるのです。
「勉強しなさい!」「なんで言われないとできないの!」「言われなくても自分からやって!」と日ごろ叱られてばかりの子どもを「自分から進んでやる子」にするには、自己肯定感を高めてあげることが大切です。
子どもの自己肯定感を高めるには?
子どもに共感する
子どもが辛い、悲しい、不安、心配、怒りなどの感情を表しているときは、子どもの気持ちを受け止め、子どもに寄り添いましょう。
親が子どもに共感すると、子どもは「自分のことが受け入れられた」「認めてもらえた」と安心することができます。
これによって、子どもは自分に自信が持てるようになり、次のやる気につながります。
親が何でも解決しない
子どもに何かあってはいけないと、親が先回りして何でもやってあげたり、何かあったときは、子どもに代わって親が解決してしまうことがあります。
これは、結果的に子どもの考える力を奪うことに。
親が子どもを見守ることで、子どもは自分で考えて解決できるようになります。
これによって、子どもに困難を乗り越える力がついていきます。
他の人と比較しない
「○○さんは頭がいいよね」「△△くんはよくお手伝いしてくれるんだって」「××さんは勉強も習い事もきちんとやっていい子ね」とお友だちと比べても、子どもには何のプラスにもなりません。
子どもは唯一無二のかけがえのない存在です。
「他の人と比較しない」ということは、「あなたはあなたのままでいい」「あなたが大切」という親の思いを示すことになります。
ほめる
宿題、部屋の片づけ、学校の用意、習い事など、普段何気なくこなしていることでも、子どもにとってはとても努力が必要な作業です。
できて当たり前ではなく、できたことをほめてあげましょう。
このような経験を積んでいくことで、子どもの自信になり、自己肯定感が育ちます。
感謝する
親が困ったなと思う行動をやめてくれたときや、お手伝いをしてくれたときなど、子どもが親のために何かをしてくれたときは、「ありがとう」「助かるよ」と感謝の気持ちを伝えましょう。
自分は親から必要とされていると実感でき、自分の存在価値を高めることができます。
スキンシップ
親の愛情を示すのに最も簡単にできる方法です。
「ハグ」「頭をなでる、」「肩にそっと手をのせる」などの肌のふれあいによって得られるぬくもりや温かさは、子どもの心を落ち着かせます。
親に愛されていると実感できた子どもは、幸福感に満たされ、自己肯定感が高まります。